ウイルスの意味論

FROM:浜條

 

毎日毎日、某ウイルスの話題でテレビもネットニュースも賑わっていますが

そもそもウイルスって何でしょうか?

 

こんなにも生活を脅かす存在であるウイルスに関して、あまりにも知見が無い事に気づきました。

そこで山内一也著「ウイルスの意味論(2018年」より引用を貰い、少しだけ「ウイルスとは何か」についてシェア出来ればと思います。

 

ところでウイルスと細菌の違い、わかりますか?

 

 

その奇妙な生と死

 

ウイルスは19世紀末に初めて発見され、ラテン語で「毒」を意味する「ウイルス」と名付けられました。

それから半世紀あまり、ウイルスは小さな細菌の一種、と考えられていました。しかし、

 

「実際には、ウイルスと細菌はまったく別の存在である。細菌をはじめとするすべての生物の基本構造は【細胞】である。細胞は栄養があれば独力で二つに分裂し、増殖する。

~中略~

一方ウイルスは、独力では増殖できない。ウイルスは遺伝情報を持つ核酸と、それを覆うタンパク質や脂質の入れ物からなる微粒子にすぎない。 

~中略~

しかしウイルスは、ひとたび生物の細胞に侵入すると、細胞のタンパク質合成装置をハイジャックしてウイルス粒子の各部品を合成させ、それらを組み立てることにより大量に増殖する。そのため、ウイルスは「借り物の生命」と呼ばれることもある。」

 

つまり、ウイルスは自己増殖が出来ない、ただの遺伝子のビークル(乗り物)というニュアンスで解説されます。ここで触れられる「核酸」とはDNAやRNAの事を指しますが、ここでは割愛します(凄く面白いので是非本を読んでみてください)

 

また、細胞に侵入したウイルスは

「一個のウイルスが細胞に感染すると、五、六時間で一万個を超す子ウイルスが生まれる。これらが周囲の細胞に感染を広げることで、半日の間に百万個の子ウイルスが産出されることになる」

 

今話題の「変異種」については、このように物凄いスピードで増殖する事に触れたうえで

「ウイルス核酸が細胞内で複製される際にコピーミスが起き、変異ウイルスが生まれることがある。短時間で膨大な数のウイルス集団が生まれてくるので、コピーミスのある核酸を持った変異ウイルスも絶えず生まれている

「短期間に世代交代を繰り返すうちに、変異ウイルスが集団の大部分を占めるようになると、新種のウイルスが出現することになる。ウイルスはまさに変幻自在な生命体と言えよう」

 

という事で、「変異」自体はしょっちゅう起こっており、その変異個体が大部分を占めるかどうか、で「変異ウイルス出現」という事になるようです。

では、細胞外でのウイルスの挙動はどのようなものでしょうか。

 

ウイルスの死

 

「では、ウイルスは何をもって”死んだ”と言えるのであろうか。細胞から放出されたばかりのウイルスは単なる微粒子に過ぎないが、感染力を持っている。ウイルスは熱に特に弱く、六十℃近い温度では殻(カプシド)のタンパク質が数分以内に変性し、細胞に吸着できなくなる。または細胞内に侵入できても殻を脱ぎ捨てることができなくなる。つまり、感染・増殖できなくなる。これがウイルスの”死”である。逆に言えば、感染力を持っている限り、活動していないただの粒子でも”生きている”と考えられている。」

 

つまり、ウイルスの生死は「感染力があるか/無いか」という判断になります。

 

「ウイルスの感染力は、一般に、六十℃なら数秒、三七℃なら数分、二十℃なら数時間、四℃なら数日で半減すると言われている。ただノロウイルスのように、外界で長時間生存する例外的なウイルスも存在する。また紫外線や薬品でもウイルスは容易に死ぬ。専門的には「不活化」と言う。

~中略~

咳やくしゃみとともに放出されたウイルスは、太陽の紫外線ですぐに不活化される。」

 

如何でしょうか?

 

今回はウイルスについてほんの触り、を解説させて頂きました。この本はわかりやすくお勧めですので是非手に取って頂ければと思います。

ちなみに

弊社でも製薬会社様にたくさん納入させて頂いております。下記一部ご紹介します。

納入事例|INPS型|40万cpの超高粘度液移送

納入事例|SB型|粘性スラリーの移送(禁水禁油防爆仕様)

 

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