酒とポンプと人類の進化

From 長谷

 

突然ですが、お酒は好きですか?

私は特にビールが大好きです。(最近は糖質を気にしてハイボールも比率高めです)

 

ところで最近の研究により、酒が人類の進化に大きく影響していたかもしれない、という

「酔っぱらった猿」仮説というのをご存知でしょうか?

 

人類が木から降りた理由

人類とアルコールの付き合いは農耕の始まりより古く、人類の登場まで遡ることができます。

酒を好む性質は人類以外の動物にはほとんど見られない性質ですが、アルコールの中でも人類が飲めるものはエタノールのみです。

実は自然界のいたるところにエタノールを生成する酵母は存在しており、熟した果実があればそこには酵母がおり、実のなる木が初めて出現した1億2000万年前から発酵作用を営んできたといわれています。

 

樹上に暮らし、果実を食べていた人類の祖先からすると、エタノールには別の魅力がありました。

特有の香りは果実のありかを教えてくれるし、熟して腐りかけの果実は消化が容易でカロリー源として効率がよく、さらにエタノールの消毒作用によって、病原菌に侵されるリスクも低くなります。

樹上に暮らしていた私たちの祖先が、地上に落ちた腐りかけの果実のメリットに気づき、やがてそれを好む霊長類が現れ進化の新たなページを開いた・・・それが米カリフォルニア大学バークレーの生理学者ロバート・ダドリーが唱えた

「酔っぱらったサル」仮説です。

ライバルより多くのカロリーを摂取し、生殖の成功率が高まり、アルコールの作用で「ゴキゲン」になれば、いいことずくめだ、という仮説です。

 

定住も農耕も酒のため?

さらに別の研究では、「狩りから稲作へ」の転換期も酒が大きく関与しているのではないかという調査が進められています。

従来では農耕の開始と宗教の始まりは同時期だといわれていましたが、最近の発掘調査による分析で、農耕が始まるずっと前の場所から宗教儀式に使うと思われる遺跡とアルコールの証拠が発掘されました。

その発見は「狩猟民が宗教儀式を定例化する為、定住が促進されたのではないか。さらにそこで重要な役目をもつアルコール(神の声を聞く)を大量に生産する必要が有る為、農耕がスタートしたのでは」という仮説を作りました。

そうなると、農耕の為に水を大量に運び管理する必要が出てくると、ポンプの発明もまた酒のため・・・?

というのは無理やりでしょうか。

 

いずれにせよ、お酒大好きな私としては「酔っぱらったサル仮説」を全力で支持したいと思います。(人類はビールのために進化したと思うと楽しいですね)

 

耐熱水中ポンプはお酒造りにも役立っています

エイチツーの耐熱水中ポンプも実は、日本のお酒造りに役立っています。今回は「酒造所」での納入実績のご紹介です。

 

納入事例|JCV型|酒造での熱湯温水移送

 

 

※参考文献:NATIONAL GEOGRAPHIC日本版2017年2月号