FROM;土井
好評の「市場リーダーに学ぼう」シリーズも最終回となりました。
そこで今回は「永遠の優良企業」と揶揄される、サウスウエスト航空に焦点を当てたいと思います。
※第一回「HONDAの起死回生」はコチラから→http://blog.eichitwo.com/?p=444
※第二回「IKEAのシンプル化」はコチラから→http://blog.eichitwo.com/?p=455
※第三回「コメリの顧客中心主義」はコチラから→http://blog.eichitwo.com/?p=461
日本でも浸透してきた「LCC」、いわゆる格安航空ですが、その嚆矢となったのがサウスウエスト航空でした。
1971年、3機のボーイング737でダラス・ヒューストン、アントニオの3都市を結ぶ便として発足しました。
サウスウエスト航空は「安くて」「高品質な」「楽しい」空の旅にするために、以下の3点を実現します。
①10分ターン:飛行機が地上に待機している時間を競合の4分の1以下にし、1機が一日で飛べる回数を増やした
②機材選定:737で統一し、整備コスト、教育コストを削減した
③利用空港:大都市では郊外の空港を利用することにし、待ち時間と空港使用料を削減した
「10分ターン」の凄さ
駐機場でブリッジをつけてドアを開け、乗客を降ろして掃除をしてまた乗客を乗せて、同時に荷物を降ろして乗せて、点検と給油もして、ドアを閉めてブリッジを離し・・・これは通常45~60分かかる作業です。
これを実現する為に、座席の割り振りもやめ、機内食もやめ、徹底的な合理化を図りました。
1機で飛べる回数が増えるのなら、他社も真似すれば良いのでは?と思われるかもしれません。しかし、労使関係(マルチタスクがNG)や座席管理(他社は座席指定がサービスでもあった)もあり、他社は追随することが出来ません。
なによりも壁となったのは、「心の中の常識」でした。
リストラ・素人集団が壁を超える
初期のころ、サウスウエスト航空の乗員たちは他社からのリストラ組で、「せっかく再就職できたこの会社を潰してなるものか」という危機感がありました。客室乗務員は元チアリーダー、地上作業員はほぼ航空機の素人で、そもそも「常識」がありませんでした。
「10分ターン」実現の為に、彼・彼女らは業界外に広くベンチマークを求めました。そして選んだのが「世界最速の自動車レース・インディ500」でした。
0.2秒のピット内での遅れが、120メートルのリードを帳消しにする過酷なレース内での迅速なピット作業(給油・タイヤ交換など)、究極のチームワークをサウスウエスト航空は取り入れました。
「必要ならなんでもやる」「なにが必要かは自分たちで考える」という素人集団だったからこそ、サウスウエスト航空だけが10分ターンを実現できたのです。
実はエイチツーにもそんな経験が・・・
以上はサウスウエスト航空の物語ですが、
実はエイチツーにも「常識破り」の装置を開発・納品した経験があります。
写真は「超小型中和装置」の設置現場です。
某国立大学様向けに製作したこの中和装置は「500×500」という狭小スペースだった為、
「大手メーカーに断られた」と途方に暮れている業者様より相談頂きました。
pH2の強酸、しかも油分も相当量混じるというシビアな条件でしたが、
「とにかくやってみよう」という創業以来の精神で設計を工夫し、この現場の為だけの特殊仕様を納品しました。
「サウスウエスト航空と関係ないやん!」というお声も含め、お問い合わせお待ちしております!
【中和装置の事例詳細はコチラ】