FROM,中島
先日プリンでも作ろうと計量カップに熱湯を注ぎ、その直後に牛乳を計量カップに注いだ際のエピソード。
メシッメシッ!っと乾いた音と、びちゃびちゃと音をたてながら亀裂からこぼれだす牛乳。
計量カップは入れても入れても永遠に計量に至らない、無限計量カップに変貌をとげてしてしまいました。
計量カップと奥さんにごめんなさいして、廃棄したのですが、これ、ちょっと前に勉強した空運転の禁忌事項と同じ事と気付きまして、今日は改めて空運転についての基礎をまとめてみました。
空運転はダメ!の理由
弊社も非容積型のポンプ(水中ポンプ、うずまきポンプなど)納入時にユーザー様に対して、普段は温厚な弊社営業マンもこの時ばかりはこんなことを口酸っぱくお伝えしています。
「空運転はダメです!絶対やっちゃダメですよ!」と。
私も、入社して直ぐにこのポンプは「空運転しちゃダメだからね。一発でお釈迦だからね。」
と、なんだかマジな感じで教わったので、空運転をしたら爆発でもするんかとビビりながら作動確認をした事を覚えております。
では、そのポンプの空運転とは何ぞやと申しますと
ひと言で言うと、「液体を入れない状態で作動させること」
大体のポンプはシール部が移送する流体によって、常時冷却されることによって正常に稼働します。
しかし、その冷却をする液体が無い状態の時に運転を行うと、稼働によりシール部や内部は変形や破損が起こってしまいます。
こうなったらもうポンプは正常には機能してくれません。
空運転は液体が入ってない状態での連続運転の他に
吸込み口が塞がれてもそもそも流入が無い状態のままの運転になってしまうため
この場合も空運転となります。
空運転防止策
■A地点からB地点まで移送したい流体が、そもそもA地点に十分にあり、ポンプに流れ込む状態が実現しているかを確認する。
■吸込み口は開いているか確認する。
■吸込み側に異物が詰まっていないか確認する。
では、空運転しちゃダメってわかってたんだけど
「あぁ゛!やっちまった!」
そんな時…どうしましょう。
どうする!空運転後の非常時マニュアル
突然ですが、とっても寒いこんな毎日、湯船につかって一息つきたいですよね。
子供の頃はお風呂なんてめんどくさいだけでしたけど、いいですよねお風呂って。
我が家では父方の祖父母と暮らしておりまして、中々お風呂に入りたがらない僕と妹がおじいちゃんかおばあちゃんの後でいい~!と反抗するのに対して
「年寄りは一番風呂に入れると死ぬからダメ!あんたたちが先に入りなさい!」と、なんとも恐ろしい説を唱え続けられておりました。
後に医療関係の専門学校に進学した中島はここで初めてあの恐ろしい【年寄りの一番風呂は死ぬからダメ説】の意味を知るのです。
ヒートショック
冬の入浴中などに温度の急激な変化で血圧が大きく変動することで起こる、心筋梗塞や脳梗塞等と同様の被害の事
なるほど、確かに一番風呂は温度も比較的高く、お年寄りの方が被害にあいやすい事例ですね。
あながちあの説は間違っていなかったわけです。
さて、この【お年寄り、一番風呂に入ると死ぬ説】とポンプと何が関係しているかと申しますと
ポンプの空運転を誤ってしてしまった場合、「あわわわっ」と、とりあえず稼働を中断した後の対処方法によっては「ポンプにとどめを刺す」のが、このヒートショックなのです。
ではここで問題です。
あなたとしたことが不注意によりポンプのへのバルブが閉まっている状態で、誤って空運転してしまいました。
ふと我に返り、すぐさま運転を中止しました。あなたならどうしますか。
- バルブを開けて、運転を再開する。
- たぶん誰にもばれてないので内緒にして放っておく。
- 冷水を流し込んで、内部を冷やしてから運転を再開する。
正解は B.たぶん誰にもばれてないので内緒にして放っておく。
まさかのBがこの中では最も適正な処置といえます。
AとCでは空運転によって熱々になった内部に流体を流し込む事で
高まっていた気圧と温度が一気に下がり、冒頭であった我が家の計量カップのようなことがポンプ内で起こります。
するともう取り返しがつかないことになりかねないので、空運転をしてしまった場合は
1,運転を直ぐに中止する
2,運転はすぐに再開せずしばらくそのままにしておく
3,メーカーにその旨を伝え、指示を仰ぐ
これで、運転時の注意と空運転が何故やってはいけないのかということを改めて認識して頂けたかと思います。
血圧が高い方、普段の空回りと急激な温度の変化にはくれぐれもお気をつけて…
そんなことに気を遣いたくない!
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散々、空運転はアカンですよ!壊れちゃいますからね!と今回お伝えしたところで何ですが、エイチツーでは空運転が可能なポンプも取り扱っております。
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