From, リエン
前回のメルマガで、弊社の長谷は「距離と成長は必ずしも関係があるわけではない。成長とは心の旅だ」
と言っていました。
私もそう思います。
でも、あえて“距離”ということに目を向けたとき、
ふとこんな疑問が浮かびました。
もし本当に距離=キロメートルで考えるとしたら、
あなたはどこまで行けるのでしょうか。
実はあまり知られていませんが、日本のパスポートは世界でもトップクラスに強く、
海外へ行くことがとても簡単です。
一方で、私のようなベトナムのパスポートでは、
行きたい国に行くまでの道のりは少し複雑です。
美しい国ほどビザや書類が難しかったり、
また、かつては開かれていたのに、
政治的な理由で今は簡単に行けなくなってしまった国もあります。
ミャンマーは、私にとってそんな国の一つです。
仏教の国、静けさと優しさの国 — ミャンマー
今回のメルマガでは、私の好きな国のひとつ、ミャンマーを紹介したいと思います。
仏教の国であり、静かで、穏やかで、人の温かさが残る場所です。
ミャンマーでは、寺の鐘の音は大きな僧院だけではなく、
田んぼのそば、小さな町の路地、川沿いの村にも響いています。
仏教は建物や儀式だけでなく、人々の暮らしの中、挨拶の仕方や微笑みの中にまで深く根づいています。
バガンという古都には、今でも2,000以上の寺院やパゴダが残っています。
かつては14,000を超える仏教建築があったと言われています。
時代の流れ、戦争、そして1975年の地震により多くが失われましたが、それでも残った景色は言葉を失うほどです。
寺院はニームの木やアラビカの木、トドヤシの木々の間に立ち、空気にはどこか金木犀のような、甘く静かな香りがただよいます。
観光地なのに騒がしさがなく、風と光と、古びた赤茶色のレンガだけがそこにあります。


夕暮れのバガンで感じたこと
今でも忘れられないのは、バガンで見た夕日です。
沈みゆく太陽の光が寺院の屋根を金色に染め、空はやわらかなオレンジ色になります。
その光景を眺めていると、胸の奥から不思議な静けさが広がっていきました。
まるで時間がゆっくりと過去へ戻っていくような感覚でした。


写真: 夕暮れのバガン
もちろん、ミャンマーは完璧な国ではありません。
政治の不安定さ、人々の暮らしの厳しさもあります。
でも、その“足りなさ”の中にこそ、忘れられない美しさがあります。
派手ではなく、大声でもなく、ただ静かにそこにある美しさです。
そして、思うのです
たった数日の旅で人は急に大人にはなれません。
でも、心が震える瞬間を知ることはできます。
旅が終わっても、その風景や空気は胸の中に残り続けます。

写真: 私。ミャンマーでは、女性たちが「タナカ」
と呼ばれる木の幹をすりおろした粉を顔に塗ります。
化粧品の代わりのように使われていて、
日焼け止めや肌を整える役割もあるそうです。
ミャンマーは、私にとってそんな場所です。
いつかまた行けるかどうかは分かりません。
でも、あの夕暮れの光景は、きっとずっと心の中にあります。
あなたの心に残ている国はどこですか。















