壊れたフロートスイッチ

FROM:浜條

 

上の写真は壊れたフロートスイッチです。

 

弊社の耐熱水中ポンプJCVH-40-Aに付くフロートなのですが、

西濃運輸で出荷の後、恐らく乱暴に扱われたのでしょう、このような姿で戻ってきました。

 

一度も使われずに戻ってきたフロートスイッチ・・・

 

お客さんの元で95℃の温水に浸かってでも自動でON-OFFする、というハードな使命を与えられ、

「俺は誰かの役に立ちたい」と夢を語っていた彼(フロート)を見ていたら、涙がこぼれそうでした。

 

なんだか、昔の俺たちみたいだな・・・

 

最後に、このフロートの為にしてあげれることはないのか?と社内で議論した結果、

このぶっ壊れたフロートで構造を説明することにしました。

 

水面に追従し、内部の球が転がる

 

このフロートですが、内部に球と接点が入っております。

 

なんせ壊れたフロートを使って説明するのでわかりにくいですが、

上の写真が横から見た写真です。

 

右に金属の球が見えますでしょうか??

 

その球がフロートの傾きで内部を転がり、スイッチをカチッと押します。

 

なんせ壊れたフロートを使って説明するのでわかりにくいですが、

右に縦長の黒い部品が見えますでしょうか?

 

これを玉が移動して押したり、離れたりすることによって電源の自動ON-OFFを行っております。

 

フロートは基本的に水位に合わせて上下します。

 

①水位が上がるとケーブル側に傾きます(球が左に寄ります)

 →水位が上がるということは、水があるので運転してOK→ポンプON

 

②水位が下がるとケーブル反対側に傾きます(球が右に寄ります)

 →水位が下がるということは、水が無いので運転したらダメ→ポンプOFF

以上の①②を繰り返すので、ピットの水位が変動してもポンプ単独で制御できてしまいます。

 

なんでそんなことやるのか?ずっとONじゃだめなのか?

そうなんです、ずっとONだと、水位が無い時に運転してしまう可能性があります。

水中ポンプは空運転厳禁ですので、保護装置としてフロート付きを選んでもらえます。

 

如何でしょうか。

 

今回はどうしても壊れたフロートスイッチを見捨てれずに、

皆様にわかりにく解説となってしまいました。

 

しかしながらやはり機械にも心はあるものと信じております。

 

そんなハートフルなエンジニア集団エイチツーをどうか

見捨てないでよろしくお願いします。