東日本と西日本の境界線はどこ?

From.内和田

 

朝晩が肌寒くなってきた今日この頃、なんとなく「どん兵衛」が食べたくなってふと思い出した。

そういえば、「どん兵衛」には東と西があったはず・・・

私のいるここ愛知県はどっちのタイプなのだろう?

 

日本列島を東日本と西日本に分けた場合、ほぼ真ん中付近に位置する愛知県はどっちに入るのでしょうか?

東と西の境目をいろいろな視点から考察してみたいと思います。

 

・「どん兵衛」の味の境目はどこ?

おそらく誰もが知っているであろう「日清どん兵衛」。実は東日本と西日本では味が違うことをご存じでしょうか?

容器の表記部分をよーく見ると「E」の文字があります。実はこれ、「EAST(東)」、つまり愛知県は東日本ということになりますね。

ちなみに西日本は「W」の表記があります。

 

日清の公式HPによると・・・

『味の境界線 は中部地区 (原則として岐阜県関ヶ原) を境界線としています。 ここより東 (愛知県、岐阜県、三重県を含む)を東日本向け、ここより西(福井県、富山県、石川県、を含む) を西日本向けとして販売しています』とのこと。

 

公式HPより

 

ちなみに、東日本はカツオの風味が強く、しっかりした味付けで後味スッキリしたダシの味、西日本はスープの色がやや薄めで、ダシを飲んでる感じが強いそうです。

また、付属の七味にもこだわりがあり、東は赤唐辛子をきかせた七味、西には和山椒をきかせた七味を使用されているらしいです。

 

 

・「広辞苑」による境目とは?

次に広辞苑で調べてみました。

「広辞苑 第六版」(岩波書店)で東日本を引くと「日本の東半分。広くは中部地方を含めそれ以東。通常は北海道・東北・関東三地方。狭くは東北・関東二地方の総称」とあります。

つまり、日本を東西2つに分ける場合、中部地方は東日本に入るのですね。

中部地方についても調べてみると、「行政上、新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知の9県に分ける」となっています。

 

念のため西日本も見てみると、「日本の西半分。広くは中部地方を含めそれ以西。通常は近畿以西。狭くは中国、四国、九州三地方の総称」とあります。

 

ん?

 

「日本の西半分。広くは中部地方を含め・・・」

なぜか西半分にも中部地方が含まれている・・・。

 

こうなったら「日本国語大辞典 第二版」(小学館)でも調べてみましょう。

まずは東日本・・・「日本列島の東半部。中部地方以東の関東・東北・北海道の各地方。特に東北・関東地方」

そして西日本・・・「日本の西半部。また、中部地方以西の近畿・中国・九州の各地方の総称。特に九州地方」

はっきりとした表記はありませんが、「以東」「以西」という表現からは、中部地方は東西どちらにも含まれるような・・・。

 

辞典系ではハッキリとした答えが出ず・・・。

 

 

・「気象庁」による分岐点

では、天気予報の基準になっている気象庁ではどこで日本列島を分けているのでしょうか。

気象庁では、「全般季節予報」などで全国の大まかな傾向を予報する際に、日本列島を「北日本」「東日本」「西日本」「沖縄・奄美」の4つに区分して情報を発表しているそうです。

北日本・・・北海道と東北6県

東日本・・・関東甲信・北陸・東海地方

西日本・・・近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部

沖縄・奄美

 

 

この分類によると、愛知県は東海地方なので東日本に入りますね。

 

・「地質」から考える

地質学では東日本と西日本の境目は糸魚川―静岡構造線だとしています。

糸魚川―静岡構造線とは、新潟県糸魚川市西部にある断崖絶壁が続く海岸、親不知(おやしらず)から長野県の諏訪湖西岸を通って静岡市の安倍川付近まで走る、日本を二分する大きな断層のことで、これを境に日本列島の地質構造が異なるのだそうです。

糸魚川ジオパーク協議会によると、糸魚川市は市内の東西で地質が違い、構造線はきっぱりと東西を分断しているそうです。

つまり、構造線より西に位置する愛知県は西日本ということになります。(画像が荒くてすみません)

 

・周波数の違い

引っ越しで東日本から西日本に転居した場合、電気器具のヘルツ表示を確認するように言われた方もいるのではないでしょうか。

日本では50Hzと60Hzの地域があり、糸魚川静岡構造線に沿う形で静岡県の富士川を境に東側が50Hz、西側が60Hzとなっています。

 

なぜ周波数が違うのでしょうか?

電気事業が始まった明治時代、関東ではドイツから50Hzの発電機を、関西ではアメリカから60Hzの発電機を輸入していたことが原因といわれています。

 

周波数で分けると愛知県は60Hz、西日本に分類されますね。(ただし中部地方の一部の地域では50Hzと60Hzが混在しているようです)

 

 

・「言葉」のイントネーションによる考察

言語学者の大野晋氏は「東日本と西日本」(洋泉社)で、東西の境界線について2つの点から考察しています。

1つは日本語のアクセント。

東京式と京都式があり、新潟・長野・岐阜・愛知から東が東京式(=東日本)、富山・石川・福井・滋賀・三重から西が京都式(=西日本)だということです。

 

もう1つは母音と子音の使い方。

本州東部の方言は子音が強くて長く、母音は弱くて短い傾向があり、一方で本州西部は子音が短く弱く、母音が長い。

例えば東日本は「見ロ」「ナイ」「広ク」と表現するのに対して、西日本は「見ヨ、見イ」「ン」「広ウ」と変化する。

この場合、境界線は長野県の西端を走る、とされています。

 

ちなみに、言語学的には岐阜と愛知の所属が微妙、、ということのようです。

※日本語のアクセントや言葉遣いからみた東西の境界線(大野晋・宮本常一ほか「東日本と西日本」より抜粋)

 

 

結論

以上、6つの視点から考察してみた結果、

東日本=2

西日本=2

どっちつかず=2

という何ともスッキリしない答えとなりました。

良く言えば「ちょうど日本の中間に位置する東にも西にもなれる柔軟なポジション」といったところでしょうか。

 

 

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