テスラバルブの話

FROM,中島

 

この業界にいれば、ボール弁やバタフライ弁など様々な弁(バルブ)を

活用したり、設計に入れたりしますよね。

以前弊社が発行する流体情報誌、流体技術マガジンで

バルブについて特集を組んだのですが、恥ずかしながらこのバルブを失念しておりました。

さぁ、本日のメルマガは結構マニアックな回になりそうですよ。

では、【テスラバルブ】についてお話します。

 

バルブのレキシ

 

見出しの通り、バルブのレキシは非常に古く

記録上、金属製の本格的なバルブは古代ローマ時代のコックがあげられます。

それ以外にも近代に至るまでに産業革命時代に飛躍的に技術が進歩したこともあり

様々なバルブが私たちの身の回りにも存在しています。

そんな中、現在まで『使い道がわからない』バルブとしてコアなファン層を持つ

テスラバルブというものがあります。

こちら、その名の通り約100年前に天才発明家のニコラ・テスラが発明したバルブで

何と可動部が存在しない、構造のみで流体の制御を行うバルブなんです。

 

テスラバルブ?

 

なんとこのテスラバルブには、弁(バルブ)に存在するはずの可動部がありません。

バルブには開閉のレバーの先に流路を狭めたり広げたりするボールやダイヤフラムなどが

ある筈ですが、このテスラバルブはその構造(流体の動きのみ)で制御します。

あぁ、大切な事を伝え忘れていましたがテスラバルブは数あるバルブの中でも

逆止め弁の一種になります。

どれも逆流を防ぐ目的で設置されるものですが、全て逆流してきた流体に対して物理的に遮断する機構を持っているのに対して

テスラバルブは以下のような構造になっています。

 

※Wikipediaより

 

青線が正の方向:抵抗が少なく流れがスムーズ

赤・黒線が逆の方向:乱流が生じ、どんどん抵抗が増えて行き、流量が制限される

もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、

実は完全に止める事が出来ないのがテスラバルブ特徴の一つでもあります。

その代わりと言っては何ですが、前述した通り可動部(可動部品)が無いので

メンテナンスフリーで壊れにくいという点も非常に大きな特徴です。

 

誰か使いこなして・・・

 

何かに使えそうだけど、いまだ使い道がないバルブ。

それがテスラバルブなのですが、何かきっとものすごくいい事に役立ちそうな予感だけは

プンプンしますよね。

構造のみで制御しているので壊れにくい強みが存分に活かせる使用方法が見つかることを祈っております。

ということで、何でも壊れるって困りますよね。

弊社はポンプメーカーなので「ポンプは何故壊れるか」を特集したマガジンを発行しています。

冒頭でも少し触れた流体技術マガジンは最新号でNo,21まで発行されていますが

その第一版、流体技術マガジンNo,1「ポンプは何故壊れるの?」があまりに人気だった為、再発行しました。

かなりレアな流体技術マガジンNo,1は明後日から九州で行われるモノづくりフェア2023にて

冊数限定で配布致します。

少し足をのばしてみてはいかがでしょうか?