予算削減で起こった大惨事

FROM,舛田

 

今から20年程前、世界的に有名なNASA(米航空宇宙局)が発射した

火星無人探査機が火星付近で信号が途絶え、消息を絶ちました。

その際の損失は数百億にのぼるとされています。

最新の開発には失敗がつきものだと重々承知しておりますが

この一件に関しては、予算削減が原因とされる最も損失が多かった大惨事として

歴史に名を残しています。

 

時は世紀末

 

後に「火星探査機の消失」とレポートされる大惨事は1999年12月3日に起こりました。

約1年前に打ち上げられ、約7億5700万kmを飛行して

火星大気圏に到着した無人火星探査機「※マーズ・ポーラー・ランダー」の軌道修正は順調に進んでました。

※以後、マーズ君とします。

火星大気圏降下中は、高温高熱に包まれて通常装置が使えない為、

着陸直前のデータはこれまで特別な通信装置によって、ビーコン信号で送っていました。

が・・・しかし、コスト削減の為に、マーズ君はこの装置を外されていました。

何故この装置が外されていたかは、諸説ありますが、着陸成功への過信が後押しし

コスト削減の対象になってしまったとされています。

 

失敗の原因もわからず仕舞い

 

ビーコン信号を送れない(信号発信機を搭載していない)マーズ君は

着陸12分前から信号を送れず、地球との交信を断絶。

それから待てど暮らせどマーズ君からの信号は無く、一連の処理が正常に進んだかどうかのデータも得られず、どの時点で異常が発生したかは不明のまま。

2つの小型観測装置からの信号も受信されておらず、分離が成功したかどうかも不明。

何もかも不明なまま、マーズ君は多分火星に激突して砕け散ったのだろうと、推測する事しかできず

1年越しの(企画~製作期間を含めるともっと長い年月)調査計画は明確な失敗に終わりました。

マーズ君がどうしてこうなってしまったのか、唯一の原因解明のツールを搭載しなかったため、

今後の対策にも大して活かせず、予算削減が引き起こした大惨事として名を残すことになりました。

 

マーズ君のその後

 

その数年後に打ち上げられた探査機によって、火星の地表にマーズ君の残骸らしき姿が

捉えられています。

その残骸から何かわかればいいですが・・・

火星探査機ともなれば多額の費用がかかるため、コストの削減は不可欠ですが

明らかに削減したらダメな機能を削減した結果が今回のマーズ君消失事件でした。

宇宙探査に!とは言いませんが、エイチツーのポンプは送液するかどうかのプロセスを

ポンプのスペックだけで判断して、実際の現場環境で稼働しない!なんてことが無いように

デモ機のご用意をしております。

計画が大きければ大きいほど、マーズ君の二の舞にならないように

実液でのテスト運転を強く推奨します。

こんな液送りたいんだけど~ほんとに送れるのか?といった所まで

フォーローできる体制を整えておりますので、流体の移送についてのご相談は

エイチツーまでご連絡下さい。