アフガニスタンの結婚式

FROM:長谷

 

最近話題のアフガニスタンですが、

中東、という事もあり、なかなかイメージが掴めない方も多いのでは無いでしょうか。

 

先日完読しました「シャンタラム」という

とんでもない小説では1985年頃のアフガニスタンの様子が生々しく、詳細に書かれていました。

 

今回はとあるアフガニスタン部族の、奇妙かつ真に迫る結婚式をご紹介します。

 

もともとアフガニスタンは国王が国を治める王政でしたが、国内にかなりの部族を抱えており、かつ部族の規模勢力も大きく、「法律より部族のルールが適用される」というような状態でした。

部族の絆は深く、結婚式ともなると(もちろん恋愛結婚では無いです)一カ月以上も宴会が続くそうです。

 

宴会のフィナーレは深夜、花婿がそっと花嫁の家に忍び込み、初めて顔合わせを(体も合わせるようです)行います。

 

ここでのルールは「誰にも、特に花嫁側の男性には必ず忍び込むところを見られてはいけない」というルールがあります。

 

このルールは非常に厳密で、忍び込みを成功させるために、花嫁のお母さん(義母)が道案内を行い、そして顔合わせの場にも立ち会うようです。

酒を飲んで騒いで寝静まった夜に、初めて対面するワケですね。

 

そして次の日、顔(体)合わせを終えた新郎新婦は、最後の儀式に挑みます。

 

最後の儀式

 

アフガニスタンの結婚式でも、日本で言う結納のように(翻訳では貢物とありました)、新郎側から、新婦側から、それぞれの家に贈り物をします。

例えば豪華な敷物、宝石を散りばめた陶器、最上級の馬、などです。

 

そして結婚式最後の日、厳かな雰囲気の中で花婿はナイフを研ぎ始めます。

 

部族全員が見守る中、一心不乱にナイフを研ぐ花婿。花嫁のお父さん(義父)はそれをじっと見つめます。

朝一番の晴天の中、響き渡る金属と金属が擦れる音。

全員一言も話さずに見守ります。

 

研ぎ終えたナイフを義父に見せますが、義父は顔を横に振り、それを見た花婿は更にナイフを研ぎます。

 

そして何度目かの拒否を経て、やっと、義父の納得のいくナイフに仕上がり、献上し、結婚式は終了します。

 

おわかりいただけたでしょうか。

 

そう、このナイフ、

「花嫁を泣かしたらお前を刺す」という目的があります。

つまり、花婿はもしかしたら自分が殺されるかもしれないナイフを、

目の前で鋭く研いで研いで、義父に献上するのです。

 

非常にシンボリックかつ、ヒヤッとするリアリティのある結婚式です。

 

私にも娘がいますが、自分に置き換えると考え込んでしまいました。

 

結局は覚悟

 

仕事で非常に困難な制御系を手掛けていると、どこかで壁にぶち当たります。

「納期が間に合わない!」「この仕様だと達成できない・・・」

エイチツーは「どこもやらない」ような流体移送をよく手掛けるので、

後から問題が発生することも少なくありません。

 

それでもお客様の満足を得て今日を迎えていれるのは、

結局は最後までやりきる覚悟と、お客さんに説明を尽くす事なんだろうと思います。

 

そんな装置案件の事例をご紹介し、本日は筆を置かせて頂きます。

納入事例|飲料の定量移送