「貴様」は丁寧?失礼?

FROM,舛田

 

「貴様!!」

もし可能なら今声に出して朗読してみて下さい。

できれば身近な人に向かって。。。

さて、言われた側は怪訝な顔をされたかと思います。

しかし、字面をご覧ください。

この言葉って本当に失礼な言い回しなのでしょうか?

 

貴様は丁寧?失礼?

 

メルマガをご覧頂いている方の中にも前々から気にはなっていた

という方も少なくないのではないでしょうか。

「貴様」この意味を学校でちゃんと習った。という人に出会ったことがありません。(私も含め)

冒頭のように、貴様!と使う際は、相手を罵る、怒りの感情をイメージするかと思います。

しかし、「きさま」使われている感じは「貴い(たっとい)」+「様」であって

文字だけではかなり丁寧な言葉の様に見受けられます。

現に「貴社」「貴殿」など、同じように構成される熟語を普段から使いますし。。。

世界で5番目に難しいと言われている日本語なだけあって、日本人からしても正解を知っている人はごく少数の様です。

 

もともとは尊敬語

 

いつから失礼な言い回しになったのか、室町時代から現代まで順を追ってみてみましょう。

【室町時代】

「貴様」は「あなた様」と同じ意味として武家の間で使用されていました。

武家↔武家=貴様

あくまで敬意を払った言い回しです。

 

【江戸時代】

このころに庶民にも広がり少しずつ尊敬の意味が薄れ始めます。

そして、軍用語として、同僚か部下に親しみを込めた呼び方として使用されるようになります。

軍の目上の人は「○○大佐」など、名前+階級で呼ばれるため、貴様は目下に使用されるばかりとなり、

その後徐々に現代に至るのですが、戦時中の殺伐とした中、部下が貴様!と叱責される場面も多くなった事から

現代の貴様の印象で定着したとされる説が有力なようです。

 

貴様!と言われる前に

 

「精々頑張ってください。」

見くびりやがって!と思うかもしれませんが、こちらも時代の流れで誤解された言い回し。

本来は激励する為の言葉なので、貴様同様言葉と意味が逆としてとらえられることもしばしば。

十二分に気を付けて使用する文言たちです。

とはいえ、今までの使い方をしていった方が無難かと思いますが

流体機器のあれこれ、中和装置のあれこれで上司から貴様!と叱られないツールとして

エイチツーが助太刀いたす事をどうぞお忘れなく。