FROM;浜條
「市場リーダーに学ぼう」シリーズも第三回目となり、ややプレッシャーを感じている浜條です。
※第一回「HONDAの起死回生」はコチラから→http://blog.eichitwo.com/?p=444
※第二回「IKEAのシンプル化」はコチラから→http://blog.eichitwo.com/?p=455
今回フォーカスするのは、ホームセンター業界で独特な立ち位置の「コメリ」です。
コメリの印象としては、大きなホームセンターが近くに無い現場で、「配管材のアレが足りない!」となった時、コメリは近くにある!という神様仏様コメリ様という助かった現場は数知れません(全国の現場に行く方は共感頂けるはず)
なので改めて「コメリ」について詳しく調べると、とても勉強になる事が多く、皆さんとシェア出来ればと思います。
日本のホームセンター業界について
日本のホームセンター業界は現在、4兆円と言われています。
その形態の特徴としては4つに分類されます。
全体規模型:低価格をM&Aによる全体規模の仕入れ力で実現(DCMホールディングス)
店舗規模型:「ここにしかない」品揃え価値を店舗規模の大きさで実現(カインズ、ジョイフル本田)
吹抜け店舗型:品揃えと見やすさに特化(ハンズマン)
H&G型:金物、工具と植物、園芸用品の最寄りニーズを小型店舗のネットワーク化で実現(コメリ)
コメリは、競合他社が店舗の大型化による品揃えの多様さに走る一方、商品カテゴリを二つに絞り、小型店舗による農村兼農家の「最寄りニーズ」を捉えています。
ビジネスの目的は「競争」ではなく「創造」
コメリの創業者であるCEOの捧(ささげ)氏は言います。
「H&Gを立ち上げたころ、流通コンサルタントたちは皆、「なぜやるんだ。絶対に成功しない」と言っていた。金物は回転率が悪いし、花卉など園芸品は手間がかかる。大型店の出店規制の為、店舗面積は999㎡しかない。そんな小さな店では儲からないと言うんです。
でも、人様のモノマネではなく、お客さんの声を聞き、社員が頑張って新しい業態を創った。それがH&Gです。」
さらに、捧氏は言います。
「いまどき、農村の中に入っていこうという企業は少ないが、コメリはそれでいい。我々は『一隅を照らす』企業なのです。」
コメリは同業他社が相手にしないお客さんをターゲットに絞り、それを採算に乗せました。
市場そのものを創造したのです。
アマゾン、グーグルも「競合主義」を批判
ご存知ネット通販の巨人、アマゾン創業者ベゾズも、数あるインタビューの「競合はどこか?」に答えようとしません。それは彼の掲げる「顧客中心主義」に反するというのです。
「競合の一挙一動にじっと目を凝らし、それがうまくいけば迅速に真似をする。この戦略はある意味難しい。だが、誰かの後ろをついていくのは、顧客では無く競争相手が中心にいるということです」
グーグルの創業者、ペイジは更に「競合主義」を痛烈に批判します。
「多くの会社の経営のやり方は間違っている。毎日会社に来てやる事と言えば、自分と似たような事をやっている会社を負かそうとするだけ。そんな仕事のどこが面白い?」
「メディアは、我々がスポーツのようにお互いに競争していると書き立てるが、イノベーションがそんなところから生まれた例はほとんどない」
「Gmailもそうだった。検索サービス企業に過ぎなかった僕たちには、ウェブメールというだけで飛躍だった。改善を目指すのではなく、飛躍をを起こすんだ」
実はエイチツーにもそんな経験が・・・
以上はコメリをはじめとする「顧客中心主義」ですが、エイチツーにもこんなエピソードがあります。
ある日、事務所にかかってきた一本の電話がきっかけでした。
お客さんんは「汎用の水中ポンプを高温の釜に入れて使用しているが、1か月ももたない。高温用の水中ポンプは無いか?」と聞かれ、すぐに競合のラインナップを調べました。
するとラインナップはあるにはあるのですが、「高価で、納期もかかる」という事で困っているお客さんが多いことに気づきました。
大手企業にとっては「特殊仕様」は手間のかかる仕事でしか無いカテゴリですが、エイチツーは「耐熱」に特化することにより、「一隅を照らす」専門メーカーとなったきっかけでした。
今では「耐熱水中ポンプ」及び「耐熱陸上ポンプ」「耐熱タンク」など、高温に特化したメーカーとして多くの方に認知頂いています。
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