FROM:長谷
数カ月前に実際にあった話なのですが、
とある大手製油所様より、「浮上油回収スキマーポンプ」の引き合いを頂きました。
既設は他社メーカーさんのが入っており、その入替での引き合いでした。
まずはデモから、という事で、ポンプのデモ機をお貸出ししたのですが、
事前に打ち合わせをした「電圧」と、違う電圧でデモ機が納入されてしまった、と電話がありました。
100%弊社のミスなのですが、
そこで起こした「とある行動」が、
後に評価されファンになってもらい、
ポンプ1台のハズが
4台のご注文(既設を全部エイチツー製に)
となった事例をご紹介します。
電圧間違い、その後
このミスですが、
具体的には「200V」でデモ機を発送していたと思ったら、
「100V」でデモ機が到着した、という内容です。
じゃあすぐに送り直せば良いんじゃないの?
と、社内でも一瞬話が上がったのですが、
その時はお客さんがデモ運転する為に色々と現場の段取りをしてくれており、
「○○日までにデモが出来ないと、非常に困る」
というような状況でした。
そういった状況を鑑み、すぐに「200Vのデモ機」を持参し、
実際に使用される環境の確認や注意点も打ち合わせをすることが出来ました。
よくよくヒアリングすると、
そのお客さんは、「既設のメーカーの対応に不満」を持っていたことがわかり、
ミスがきっかけではあったものの、
ミスを挽回する体制を非常に評価して頂き、結果的には既設のポンプを全てエイチツー製へ更新となりました。
「ザッポス」という会社をご存じでしょうか?
アメリカにある「ザッポス」という会社をご存じでしょうか?
「靴」を販売するECサイトとして、
あのAmazonが「どうしても欲しかった企業」として、約800億円で買収され有名になりました。
その特徴は、
「圧倒的に顧客満足度を高める事にフォーカスしている」
という点です。
具体的には、
・送料/返品無料
・返品は何回でもOK(365日以内)
・基本的に翌日配送
・24時間365日対応の顧客対応サービス
と、
羅列してしまうと「まあ、わりとよくある内容」と感じてしまうかもしれませんが、
「新規顧客獲得の43%がクチコミ」「顧客のリピート率75%」と、
ザッポスには熱狂的なファンがいる事で有名です。
なぜか?
それは、顧客のクレームや返品対応などを受け付ける窓口である、
「CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)」という名称の電話センターの「神対応」にあります。
一例を紹介します。
その女性は、病床の母親のために、ザッポスで何足か靴を購入しましたが、母親の病状が悪化して亡くなってしまいました。
母親の死後、諸々の片付けに忙殺されているうちに、ザッポスから靴の具合をたずねるEメールが届きます。
彼女はやっとの思いで以下のような旨を返信します。「母親が亡くなってしまったので靴を返品したい。ごたごたで返品し損ねていたが、必ず返品するので今しばらく待ってもらいたい」。
直ちにザッポスから、「宅配の集荷サービスを送りますからご心配なく」という返信がありました。
ザッポスでは返品時も送料は無料ですが、「購入者は集荷場まで靴を持っていかなければならない」という正規のポリシーがありました。しかし、今回は、そのポリシーを曲げて自宅への集荷を手配してくれたことに、女性は驚き、感謝しました。
しかし、話はそこで終わりません。翌日、彼女の玄関先には色鮮やかなお悔やみの花束と、ザッポスからのメッセージカードが届いたのです。
「感極まって、どっと涙がこぼれました。人の親切にはもとから弱い私ですが、今まで人様からしてもらったことの中で、これ以上に心を打たれたことを思い出せません。もし、ネットで靴を買うのだったら、ザッポスから買うことをお勧めします」
これが彼女のブログの締めくくりの言葉です。
【参照】ザッポスの奇跡:p18-19
ザッポスには、このような逸話がゴマンと存在します。
このような「規格外の感動」実現する為に、ザッポスはカスタマーサービスの担当者全員に、
「自分の裁量」で花束を贈ったり、メッセージカードを送ったりする権限を持っているのです。
マニュアルやトークスクリプトは一切なく、顧客が喜ぶためならほとんど何をしてもいいと明文化されており、
「靴を売る」ことは目標では無く、自分が最適だと感じることを個々の判断で実施しているのです。
BtoBでも、これが出来たら
もちろん、我々のマーケットは工場なので、
ザッポスをそのままマネすることは難しいかもしれません。
でも、ザッポスのように、販売するのが「どこでも買える靴」であっても、
その提供の仕方や、カスタマーサービスの充実だけで、
Amazonからも羨まれるような企業に成長する事が出来るかもしれません。
エイチツー自身も、
今回のミス事例をもとに、
「お客さんが規格外に喜んでくれるコト」を、
組織として、仕組みとして組み込んでいければと思っています。
まずはそのために、
「全製品の即納」を目指しており(進捗は35%程度)、
「全機種デモ機あり」を今期中に達成する予定です(進捗は80%程度)。
私はマーケティングの責任者をやっていますが、
「広告」とか「カタログ製作」とか「WEB製作」という事よりも、
こういったシンプルに「お客さんが規格外に喜んでくれるコト」を仕組み化していく事も、
マーケティングの大事な仕事だと痛感した事例でした。
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