FROM:長谷
「ユルリ島」という島をご存じでしょうか?
北海道の東端、根室半島の沖合に佇む小さな無人島です。
ユルリ島はかつて、
周囲の海で昆布を採集する漁民たちの住居や番屋が建っていました。
しかし1971年、
最後の島民が島を離れると、
「馬」だけが無人島に残されることになりました。
信じられない事に、
無人島になってからも「馬」たちは生き残り、繁殖し、命を繋いでいました。
何と現在でも野生化した馬だけが住む、
野鳥と馬しかいない「楽園」が、日本にあるのです。
「ユルリ島の馬」
私がユルリ島を知ったキッカケは、
「ユルリ島の馬」という写真集でした。
書店で何気なく手に取った写真集が、
不思議と心に訴えてくるものがあり、購入したのがキッカケです。
その写真集で映し出されるのは、
野生化した馬たちの美しく駆ける姿、
死んだ馬たちの骨、
島の花、何かの残骸、星空、など、
「忘れ去られる風景」が
生々しく表現されています。
ある時から、島の馬たちの繁殖を制限する為に、
メスだけが島に残るようになってしまったため、
馬たちは少しずつ減っていきます。
※ユルリ島は注目され、現在は少し状況が変わったようです。
群れだった馬たちがどんどん島の草原に横たわり、
減っていく姿は、詩的に感じる、何とも言えない気持ちになる素晴らしい写真集です。
人生を変えた写真
話は変わりますが、
あなたには「人生を変えた写真」はありますか?
変えてはいないけど、忘れられない写真はありますか?
私にはあります。
最近、「写真」というフォーマットに興味があり、このユルリ島を含め、
たくさんの写真集を見たり読んだりしているのですが、
「ルワンダ ジェノサイドから生まれて」
という本(写真集)は、かなり強烈でした。
その本の概要を引用させて頂きます。
20世紀最大の悲劇のひとつ、ルワンダのジェノサイド(集団殺害)の際に
大勢の女性が「武器」として性的暴力を受け、その結果およそ2万人の子供たちが生まれたという事実は、いまなおほとんど知られていません。
母親たちの多くは、いまだに深刻な肉体的・精神的トラウマを抱えながら、社会的に孤立した状態で子供を育てており
その半数以上はHIV/エイズにかかっているとも言われています。
非常に重い話ですが、
目の前で自分の夫、父親、母親、親戚を無残にも殺され、
その殺した男の子供を身ごもり、産むしか選択肢が無かった母親のインタビューと、
子供とのツーショットで構成されています。
自分の家族を殺した男の子供を愛せるのか?
という究極の問いがそこにあり、
Noという場合とYesという場合もありますが、
Yesと答えた女性の眼差しと言葉が忘れられません。
想像する事さえ出来ない暴力と絶望する未来(暴行を受けた女性の半数はHIVに羅漢したと言われます)の中で、
子供を見た瞬間に愛する事を決めた、という母親の強さを、是非本書で感じて頂ければと思います。
PS. 「本紹介」記事がけっこう好評なのでたま~にやっていこと思います。
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