FROM:長谷
「日本は、【最大の失敗】から、本当に学んだのか?」
という切り口で展開される名著「失敗の本質」をもっと噛み砕いて解説した本、
「【超入門】失敗の本質」を読み終えたので、皆様にシェア出来ればと思います。
ここで言う、「最大の失敗」とは、日本が約80年前に経験した大東亜戦争を指します。
ケタ違いの規模、劇的な展開、人類が経験した最も悲惨かつ残酷な戦争である
第二次世界大戦において、なぜ日本が負けたのかを、国力の差では無く、
作戦や組織による「戦い方」の視点から解説しています。
そしてこの本は、日本政府首脳陣の度重なる判断ミスを揶揄して
東日本大震災でも引き合いに出されます。
なぜこの本を今、読む必要があるのか?
それは、80年以上も前に、
日本軍が抱えていた多くの問題や組織の病根を、
まだまだ私達は直視して解決出来ていないからです。
平たく言うと、
80年前の日本軍の決定的な失敗を、
現代の我々も、まだ繰り返しているから、です。
日本軍と日本企業に共通する明暗・弱点
この本は、日本軍の主要な作戦である
・1939年:ノモンハン事件(コミュニケーション不足が起こす失敗の序曲)
・1942年:ミッドウェー作戦(暗号解読されたターニングポイント)
・1942年:ガダルカナル作戦(米軍戦力を過少に判断)
・1944年:インパール作戦(行う必要の無かったずさんな作戦)
・1944年:レイテ海戦(統一指揮のないままスタートした史上最大の海戦)
・1945年:沖縄戦(当初善戦も、大本営と現地軍との致命的な認識のズレ)
を解説しながら、組織としての「日本特有の弱さ」をあぶり出す構成となっています。
ここで全てを紹介する事は出来ないので、
特に印象に残った「日本特有の組織の弱さ」について紹介します。
それは、
「日本軍も日本企業も【転換点】に弱い」
という点です。解説します。
日本軍が本格的に戦線拡大を開始したのは1937年の日中戦争(支那事変)以降と言われており、
5年後の1942年には、展開位置・占領地は面積的に極大に達します。
平たく言うと、開戦当初は何もかもが上手くいき、イケイケどんどんだった、という事です。
そしてそのイケイケから3年後、沖縄が陥落し、同年敗戦を迎えます。
わずか5年で展開地域を太平洋、インド国境インド洋、オーストラリア周辺まで展開し、
その3年後には敗戦する、という驚くべき明暗です。
この、
「順調な時には強く全面展開するが、環境の転換期には一転して閉鎖間に陥り、突破口が見いだせない」
という姿は、
現在の企業活動全般にも見覚えが無いでしょうか?
高度経済成長期にイケイケどんどんだった日本企業。
モノづくり大国ニッポン・ジャパンアズナンバーワンと言われ
世界へどんどん進出していた時代も、
世界経済危機を契機に、お家芸だった製造業が国際競争で次々と敗れ、
未だに突破口が見いだせない状況です。
つまり、
日本軍と同じく、日本企業も「転換期」にめっぽう弱い、という共通の構造を持っています。
それはどんな構造なのか?
どうすれば回避できるのか?
その答えは是非、本著で確かめて下さい(おススメです※PR案件ではもちろんありませんよ!)
「私たち現代日本人と、大東亜戦争を戦った日本軍の組織は違うと言えるでしょうか」
という問いかけが刺さるアナタは、是非読んで欲しい一冊です。
PS. たまには真面目なエイチツーメルマガ、是非感想をお願いします(しっかり読んでます)