ヤンキーの恩返し

FROM:舛田

 

そう、あれは10年以上前のこと。

コンビニで5人のヤンキーに絡まれ、カツアゲをされるお話です。

私も男。黙って従うほど弱くないぜ。

その時、奇跡ともいえる偶然が起きたのであった。

 

可愛い後輩Rくん

私は中高と決していい子ではありませんでした。

しかし、良いことも悪いこともしたという感じでしょうか。

皆様もそんな感じではないでしょうか?(笑)

とにかく、周りに流されやすい性質でした。

私が当時中学三年の時、小学生の時から知っている2歳年下の可愛い後輩R君がいました。

彼は当時中学一年生。それはそれは、あっという間に思春期というゾーンに入り、あっという間に悪ガキ小僧へと変貌していったのであった。

髪は金髪に染め、盗んだバイクで走りまわり、他中と喧嘩をしに行ったりと、活発な中学LIFEだったことでしょう。

私は、高校が決まり、卒業することとなりますが、やはりR君の話は耳に入ってきていました。

しかし、やはり可愛いやつで、ご飯を食べに行ったり、カラオケに行ったりと、たまに遊ぶ仲でした。

月日は流れ、私は成人し、彼は18歳(高校3年)。

R君は見事にそのまま活発に育ってしまい、堀の中へと進学していました。

 

カツアゲは突然に…。

私は、携帯料金を支払おうと地元のコンビニのATMへと用を済ませる。

しかし、表には悪そうな1台のセルシオが停まっていた。

中から、5人の学ランを着た高校生が下りてきたのであった。

この学ランは地元でも悪名高い、○○高校だ。

(現在は、学ランからブレザーに変わり、ヤンキー高ではなくなった。)

先ず、疑問はなぜ高校生が車?

(恐らく18歳で免許があり、親兄弟の車なのだろう。)

そして、そのグループに絡まれるのであった。

「お兄さん、今ATMでお金おろしたでしょ?いくらおろしたの?」

「財布みせろや」

「殴られたい?」

などなど、私にとても怖い文言を頂いたのである。

が、しかし私も少しはその道にいた男。しかも年上。舐められてたまるかっ!

気持ちを冷静に保ち、声をかけるのである。

舛田:「おいおい、あんまり無茶するなよー?お前ら○○高の子だろう。カツアゲなんてやめとけって」

まさに産まれたてのバンビのような可愛い声で必死に抵抗するのだが、なぜか頭に可愛がっていたR君を思い出す。

舛田:「そういえば、○○高ならR知っとるかー?友達?」

その一声で彼らの表情が変わるのを今でも思い出す。

ヤンキー達:「え、お兄さん、Rの知り合いっすか?」

舛田:「いやいや、知り合いというか先輩だよー。」

ヤンキー達:「え、やばくない?謝ろうぜ…ヒソヒソ…」

 

これはチャンス!!

 

ヤンキーにはヤンキーを!

もう、私は止まりません。

「まぁまぁ、気にするな!あんまりそういう無茶はやめとけよー?」

「コーヒーでも飲むか?奢ってやるぞ?」

私は畳みかけるように先輩風を吹かし、乗り切ることを目標とし、精いっぱいのハッタリで頑張っていた。

ヤンキー達は「すみません。いえ、コーヒーも結構です。すみません」

と、最初とは打って変わって違う人種へと変化をした。

しかし、私は大きくなりすぎてしまい、彼らに1000円を渡し、コーヒーでも飲んでけと言い放ってしまう。

彼らは「ありがとうございました。本当にすみませんでした。」

と言ってきたが、まだまだ大きくなった私は「おう!もう無茶するなよ!じゃーなー」と別れを告げた。

かっこよく車を走らせ公道へ出るつもりが、恐怖から解放された私はガクガクと足が震えだし、

アクセルを踏むのに精いっぱいな私はとても小さかった。(笑)

 

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