1984年12月、インドのボバールにある「ユニオン・カーバイト・インディア社」化学工場で起きた爆発事故は、瞬く間に3800人以上が数分以内に息絶えたとされています。
安全対策はあまりに貧弱で、会社は最大限の利益を得る事ばかりを考え、工場の設計と安全対策は恐ろしくずさんでした。
昨今はグローバル化で海外に工場を持つ日本企業も多いかと思います。
外部委託とグローバル化・経費削減に熱心な企業の警鐘になればと思います。
1984年12月2日真夜中過ぎ・・・
ユニオン・カーバイト社は1969年にアメリカのウェストバージニアにある同社の工場設計を基に、インド・ボパールの人口密集地帯で工場建設を行いましたが、その設計ベースからそもそも違っていました。
使用される建材・機材などは徹底的にコスト削減の対象とされ、似ても似つかぬ状況だったと言います。
そして1984年12月2日の真夜中過ぎ、事件が起こります。
この除草剤工場にある3基のメインタンクのうちの一つ(タンク610)で爆発が起こり、イソシアン酸メチル(MIC)が大量に漏れ出しました。
猛毒ガスがもくもくと立ち昇り、瞬く間に半径20平方メートルまで広がり、3800人以上が数分以内に死亡したとのことです。
MICは水と混ざると沸騰し不安定になりますが、事故の夜に起きたのはまさにこの現象でした。
爆発とその後のガスの影響で死亡者は2万人以上、何らかの障害を負った人は15万人以上に上るとされます。
何がいけなかったのか?
問題は工場の制御室内にありました。
本来ならMICタンク内の危険な圧力を伝える圧力計があるはずですが、ボパール工場にはついていませんでした。
また、他の計器は爆発までの数時間のあいだに問題の発生を表示していましたが、
誤作動を頻繁に起こしていたため、作業員は通常通り無視してしまいました。
例えば、ある計器はタンクが空にも関わらず22%入っていると表示されていました。
爆発前にMICガスが制御室を飲み込んだ時、酸素マスクの無い作業員は逃げ出すしかなく、作業員が急場を救うという僅かな希望さえも潰えました。
6台ある安全装置(そしてそれに付随する様々な計器)は一つとして機能せず、経費削減が安全対策の縮小に繋がったのは明らかでした。
その後の調査で
さらもその後の調査で、上記のようなずさんな保守を招いた他の要因も明らかになりました。
まず人員体制に問題があり、研修も不十分な為、大半の作業員は自分が扱う物質について何も知らなかったようです。ましてや危険性を知ることもありませんでした。
注意事項は英語で書かれており、多くの作業員はヒンディー語しか分からなかったため、理解のしようが無かったと言います。
ユニオン・カーバイト社は事故の示談による和解金額は500億円以上だったようです。
事故を防ぐための投資としては3億円もあればできたと言われており、企業の行き過ぎた経費削減が多くの命を奪い、金銭を発生させた事例として記憶されています。
グリーンピースのその後の調査で、この地域の水銀のは安全値の600万倍が検出されている、とのことです。
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