お客さんと笑った話

FROM,中島

 

「ちょっと~!ポンプ動かないんだけど!」

出社して早々に降りかかった大ピンチ。

懇意にして頂いていたお客さんからのお電話でした。

怒ってる・・・

絵に描いたような「ヤバい」状態。

この時は、まさか数分後に笑い合うことになるとは思いもしませんでした。

 

ポンプが動かない

 

エイチツーはニッチなポンプばかりを扱い、

毎日ちょっとふざけたメルマガを送り付けてるとはいえ

これでもポンプメーカーですから、こういったお電話は初めてではありませんでした。

とはいえ、動かない系のお電話は何度受けてもやっぱり「ドキィ」とする内容です。

この時も例にもれずドキドキしながら受け応えていました。

現場での使用方法はある程度把握していましたが、

今できる事と言えばポンプ動かない可能性をひとつづつ潰していく事・・・

エア駆動のポンプだった為、まずは物理的にエアカプラがちゃんと挿っているか、

供給元のエアコンコンプレッサーの電源は入っているか、

他にも吐出側のバルブが閉じっぱなしではないか等、

思い当たる基本的な事は一通り確認しましたが・・・動かず。

こりゃ、オーバーホールかなぁ?と思っていた矢先、

お客さんのある一言で事態は一変しました。

 

さっきまで動いてた

 

電話対応できるのは、ここまでで限界だなぁ。と思い

調査の為ポンプを取り外して送ってもらおうとしていた時、

お客さんが一言「さっきまで動いてたのに。」

これは、まさか。

と思い、10分後また運転再開してもらう約束をし、電話を切りました。

ちょうど10分が経ったころ、「動いたわ!なんで!?笑」とお客さんから電話が入りました。

良かったと胸をなでおろしたのですが、結局何が原因だったかと言いますと

供給エアの枯渇が原因でした。

今回私も恥ずかしながら見落としそうでしたが、エア駆動のポンプは連続運転していると

稀にコンプレッサーが溜め込む圧縮エアを消費しきってしまい、

機器の動力として機能しなくなる事があります。

その際は供給できる圧縮エアが溜まるまで待つ必要があります。

人が風船を膨らます時に息継ぎをして肺に空気を溜め込むのと同じ原理です。

 

何を送ってたの?

 

「な~んだ。こんな事か。笑」と二人して笑って終わったのですが

実はこの一件でのポンプは希釈した苛性ソーダを移送しています。

材質選定は間違っていてポンプ内部が腐蝕したのかとも思いましたが

後に軽く分解してもらったところ内部は腐蝕する事なく今もバンバン移送しているとの事です。

腐蝕性のある液なのでポンプ側にトラブルがあったのかとついつい焦りますが

周辺機器から見直して正解だった事例でした。

そんな苛性ソーダもバンバン送る耐蝕性ばっちりのエア駆動ポンプは

材質も豊富なラインナップなので、腐食性液を移送の際は是非ご検討ください。