アルコールと有機溶剤の違い ~リスク管理への大切さ~

FROM: 福岡(オリンパスメディカルシステムズ)

 

そろそろ忘年会シーズンですね。

 

最近ではノンアルで飲み会を楽しまれる方もいらっしゃいますが、

アルコールを口にされる方も多いのではないかと思います。

 

私も職場の近くに行きつけのショットバーがあり、

もう10年程通っています。

(数年前、中和装置を設置して頂いたときにエイチツーの皆さんにもお店に足を運んで頂きました。)

 

お酒好きのマスターにこれが美味しいとすすめられるがままウイスキーを飲んでいるうちに

アルコール度が40%のものは薄く感じるようになってしまいました。

 

ウイスキーは樽の中で何年も熟成され美味しくなっていきます。

 

樽から出したばかりのウイスキーはカスクストレングスと呼ばれており、

アルコール度は55~65%位あります。

 

通常はこれに水を加えて40%程度にしていますので

カスクストレングスの方が濃い味わいとなります。(私はこの濃い方が好きです)

 

 

前置きはここまでにして、

 

お酒のアルコールはエタノールで

C2H5OHで示される有機溶剤の1つですが、

 

大きな違いがあるんです。それは以下です。

 

 

アルコールとエタノールの違い

 

 

このように、エタノールと一般的な有機溶剤では体に吸収しても問題がない量(毒性)に違いがあること、

吸収された時に体にどのような影響が出るかが大きく異なります。

 

また、前回のメルマガでお伝えしたように有機溶剤は火気厳禁です。

 

ウイスキーにも火が付きますが、

燃えるとエタノールが消費され水の割合がどんどん高くなりますので、

燃焼が継続しにくいという点は一般的な有機溶剤とは異なります。

 

 

ところで、お酒だけでなく料理も大好きなので再び食べ物の話に戻ります。

 

家で餃子を焼くことがあるのですが、

皮がパリパリに焼けた餃子ってとっても美味しいですよね!

 

酢コショウだとさっぱりして箸が止まりません。

 

普通のお酢は酢酸の濃度が3~5%、

疲労回復に効果があると言われているお酢飲料では0.1~0.2%程度です。

 

アルコールも飲み過ぎると頭が痛くなったり気持ちが悪くなったりします

(体内でエタノールが分解されてできた身体にとっては有害なアセトアルデヒドが原因です)が、

お酢も摂取し過ぎると健康被害が起こる可能性があります。

 

ある研究によると(実際には無理ですが)成人がお酢1Lを一度に摂取すると死亡する可能性があるとのことです。

 

また、数十年前、大学生の時に実験で濃度が100%の酢酸や硫酸を使うことがありました。

 

気が付いたら手に水ぶくれができており、

よくよく考えると前日に皮膚腐食性/刺激性がある酢酸を使っていました。

 

酢酸も有機溶剤ですので濃度が高い場合は十分注意してください。

 

硫酸ですが、使った後にGパンを洗濯するといつも小さな穴が・・・。

 

気が付かないうちに硫酸がGパンに飛んでいたんですね。

 

たまたま本当に運よく大事にはなりませんでしたが、

事故が起こらないようにするためにはリスク管理がとても重要です。

 

例えば、接着剤を使う作業があった場合に使用している工程では吸い込まないように、

火気厳禁など注意していると思います。

 

しかし、使用中以外はどうでしょうか?

 

保管や廃棄、保護具の装着や外し方なども含め注意が必要です。今一度見直ししてみて下さい。

 

 

リスク管理は、有機溶剤に限った話ではありません。

  • どのようなリスクがあるのかを洗い出す
  • 危険性・有害性を特定し、その程度と発生可能性を組み合わせてリスクを見積もる
  • リスクを下げるための対策を講じる

 

という一連のプロセスは、まさにリスクアセスメントそのものです。

 

皆さんも、現場をよく観察し、リスクの高いものから優先的に対策を進めていきましょう。

 

 

そして、その考え方や具体的な対策を記録に残し、

関係者で共有し、課題が見つかれば再度検討して改善する。

 

この「回す仕組み」を作ることが重要なポイントです。

 

そうすることで、リスク管理の取り組み自体が大きな財産になります。

 

 

お酒は適度に楽しくです。

 

くれぐれも飲み過ぎないようにして、

年末・年始のリスク管理をしっかり行ってください。

 

 

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